世界を翻弄する「皇帝の復権」 新プーチン体制が幕開け

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世界を翻弄する「皇帝の復権」 新プーチン体制が幕開け

(以下引用)
ロシアでウラジーミル・プーチン氏(59)の4年ぶり、3期目となる大統領任期が幕を開けた。7日には首都モスクワの大クレムリン宮殿で就任式が行われたが、その華々しさとは裏腹に取り巻く環境は厳しい。

大枚をはたいた就任式直後のレセプションで、賓客が国産高級ワインや贅(ぜい)を尽くしたロシア料理を味わっていたとき、クレムリン(大統領府)の外では「反プーチン」のデモが行われていた。モスクワの治安当局は前日と合わせて総勢500人以上を一時拘束した。プーチン氏の過去の大統領就任式では見られなかった光景だ。

9日付の英紙フィナンシャル・タイムズは社説で、「過去10年の生活水準の向上は、(国民の)期待を高めた。奥行きが深くて難しい改革が行われなければ、満足させるのはますます困難になる」と評した。

2008年までの前回大統領時代、原油高という追い風もあって人々の暮らしは上向き、中間所得者層が増えた。衣食住で安定した生活を享受する人々が、自由と民主主義を求め始めたのだ。帝政時代、そして全体主義のソ連時代に沈黙し続けてきた市民が、抑圧的な統治体制の転換を迫る、歴史的瞬間が訪れているのかもしれない。

ロシア国内のメディアでも厳しい論調が出た。10日付の日刊紙ベドモスチは、政敵などを次々と消していった独裁者スターリンの「大粛清」になぞらえ、新プーチン体制がこれまでと同様に新たな敵を次々と見いだし、「戦い」を国民にアピールする-とみる。その上で、「プーチン氏が変わらなければ社会が変わるだろう」との見方を示し、国民の側がこうした“舞台回し”を見抜き、政権側の筋書き通りには行かないと予測した。

プーチン大統領は9日の対独戦勝記念日には、赤の広場で行われた軍事パレードを観閲し、「この勝利は、勝利者の後を継ぐ者であることを知らねばならない若い世代に対する強力な基盤である」と訴え、愛国者ぶりを示した。さらに、18、19日に米国で開催される主要国(G8)首脳会議を欠席し、メドベージェフ首相を派遣する方針を示すなど、就任早々、世界の注目を浴びている。

訪米中止の表向きの理由は「組閣に専念したい」とのことだが、それならなぜ内閣を束ねるべき首相のメドベージェフ氏を派遣できるのか、十分な説明とはいいがたい。欧州のミサイル防衛(MD)をめぐる対立や、就任後初の訪問国が米国になることを嫌った-といった臆測が流れているが、プーチン氏の就任が大方の予想通り、対米関係の冷却化につながることは間違いなさそうだ。

シリアや、核問題に揺れるイランなどに対し、米欧と違ったアプローチをとるロシアは「内政干渉の拒絶」を一貫して主張している。その論理は欧米による対露内政干渉の拒否にもつながる。威光には陰りがみえるものの、“皇帝”の復権に世界はやはり、翻弄されそうだ。

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